日々のこと

I'm becoming this all I want to do.

Twitter自由詩・短歌01(20171013-20180222)

Twitterで出した一行詩とか短歌です。
というか、短歌ばっかりです。
少しずつ、詠んで、自分が苦しんだり癒やされたりすればいいと思ったり。
 
1.
月がたくさんの太陽を抱えている
カレンダーの上
 
2.
雨が僕らを分けないように
傘を一つわざと忘れよう
 
3.
無花果はどんな形の花だっけ夫のジャムを塗りながら問う #tanka
 
4.
茶店で寝ている女の子
みんな隕石の夢を見ている
 
5.
雨の音永遠に続く様相で僕の周りだけ重力が大きい #tanka
 
6.
別のこときっと考えてる選挙カーそれは昨日の僕と同じだ #tanka
 
7.
バツ印カレンダーにつけていく人生の否定予定もないのに #tanka
 
8.
セーターを 編んでは解き 編んでは解く ここは賽の河原 告白できない私の地獄
 
9.
姿を見せない革命家 暗殺されず 支持されず
 
10.
黒の中白が混じった排水口結婚しようを聞き出せないまま #tanka
 
11.
想い出をインスタグラムに貼り付けてまた一個僕は忘却をする #tanka
 
12.
窓からの夕焼けあまりにも紅いバスを一駅降り過ごしてみた #tanka
 
13.
あと2ヶ月待てば来るのに12月何をそんなに焦っているのか #tanka
 
14.
車よりトラクター走るこの街で僕は何の種埋えようか #tanka
 
15.
引越しの時に切られた金木犀今年は何色の夢を見るのか #tanka
 
16.
バイバイも言わずに手を振る女の子来週もまたテストが続く #tanka
 
17.
秋雨は優しさ冷たさ後ろめたさ何ともなしに君を想う #tanka
 
18.
雨の日は傘を差さなきゃいけないなんて
誰が決めたのですか?
晴れの日は笑ってなきゃいけないなんて
誰が決めたのですか?
お葬式では泣かなきゃいけないなんて
誰が決めたのですか?
 
19.
本日も君はニュースキャスターみたいに平気な顔で愛してるを言う
 
20.
室外機の音は胃痛がする和らげるため煙草を吸った
 
21.
白々しいと言われて空になる僕には何の罪もないはずだ
 
22.
僻地にはおそらく時間の管理人が今日も金時計をぶら下げている
 
23.
雨よりも人がよく降るこの時期は新しい傘差せず憂鬱
 
24.
四葉は見つからんし
三葉もない
仕方がないので
二葉を分けた 
 
25.
汽笛の音がまだ鳴り続く錨を下ろした停泊地にて
 
26.
焦げる表皮は赤のち白になるケロイド状に引きつる笑い
 
27.
分度器はちょうど45度に割れる大きい方を君にあげよう #tanka
 
28.
脱衣所でテントウムシが死んでいて多分先ほど落としたボタン #tanka
 
29.
窓枠と水平線で切り取った親指ほどの夜になる前 #tanka
 
30.
夕焼けはどんな色かと悩んでも琥珀のように月日は重なる #tanka
 
31.
雲は青に染まらない
なのに夕焼けは赤くなって
その度に裏切られた気分になる
私の心はどんな空でもその色に染まるのに
 
32.
君に関する記述を探していた
水について書かれた教科書にて
 
33.
ほら見てごらん
街灯樹のほとりに
輪廻の排水溝が横たわる
水死ぬ魚死ぬ
風船がしぼむやうに
 
どうせという
言葉は空しい
それを使わなかった時代があるはずだ
 
34.
掃除機は吸い取る 汚れとか汚れとか 過去になった日々
 
35.
大統領よりも深く悩みたいそんな感じの猫になりたい #tanka
 
36.
強風で飛んでくバナナの皮に乗り魚としての命終えたい #tanka
 
37.
不思議なら宇宙以外にもあって例えばコイの模様の違い #tanka
 
38.
幸せはどういう風に測るのか今日の空は雲が少ない #tanka
 
39.
寂しさが吊るされ風が泣いているゆらり揺れてくしゃれこうべかな #tanka
 
40.
淑やかさって一体どこに売ってます?今日も隣はあの娘のものだ #tanka
 
41.
好きですと31回伝えれば歌になります?短いですか? #tanka
 
42.
巷では「青」と言うんだその色は教えてくれた人はサンタで #tanka
 
43.
退屈?と言わせてしまう冬があり星が綺麗に見えてるせいだ #tanka
 
44.
俯いて蛇口をひねる流す流す潤う水で顔を洗った #tanka
 
45.
山羊を連れ旅に出たんだ不幸ってみんな自分が特別だと言う #tanka
 
47.
随分と下ってきたな標高が僕に合ってて呼吸が楽だ #tanka
 
48.
お風呂場のタイル一枚一枚に住み着くアナゴ眺め午睡す #tanka
 
49.
人生は大したことない大したことない悲しみにうまく折り合いつけていく
 
50.
マドラーを回す手の甲触れられず乱流の解未だ知らない #tanka
 
51.
鉄塔は曲がってしまい向く先は少し天国からズレていて #tanka
 
52.
鉄橋の曲がり角にて待ち合わせブレーキ遅くてレール飛び出し #tanka
 
53.
相応しい死すら得られずせめてもの供養としての百合を供える #tanka
 
54.
透明になりたいなんて願ったが気づかぬ君を見ると寂しい #tanka
 
55.
もう何度洗い流してくれたのか昨日の洗剤残るスポンジ #tanka
 
56.
戯れて首筋に付く朱肉見てキスマークだと微笑んだ君 #tanka
 
57.
生きること神に許可されそのことを和解と呼んだ君に加護あれ #tanka
 
58.
靴底に前世で踏んだガムがありどうも右足引き摺り歩く #tanka
 
59.
放浪と呼ぶんだろう君知らないで寂しさはまだここに居るのに #tanka
 
60.
霜柱踏み行くたびに冬になれ灼々たる道駆け抜けてゆく #tanka
 
61.
ひび割れた岩波文庫二十四ページにチョコの袋綴じあり #tanka
 
62.
出来立ての球体関節人形をサービスエリアに置き去りにして #tanka
 
63.
林檎型爆弾作り亜米利加に放置をすれば憂鬱が消え #tanka
 
64.
パイロット鉛筆持って夜間飛行砂漠で僕は王子に出会う #tanka
 
65.
真っ直ぐに星は死んでく輝いて怖がらなくていいんだ僕も
この地図の上には僕らの惑星(ほし)はなく何座でもない孤独は青い
何時間眺めただろう瞬きをしない約束以外無言で
#tanka
 
66.
お化け電球
神社にある
お化け電球
切れかかってる
お化け電球
お化け電球
そこはお化けの通る道
そこはお化けの集会場
お化け電球
お化け電球
 
67.
近未来からこんにちはこの国は変わらず大人だけが増えてる
その日見たUFO多分近未来からの僕だと叫んだ子供
#tanka
 
68.
永遠を閉じ込めている芸術を一瞬通る人の儚さ #twnovel
 
69.
透明な心を持った君の目に映るだろうか透明な僕 #tanka
 
70.
この布団干されるためにあるのだと二度寝許さぬ冬の晴れの日 #tanka
 
71.
ささくれを思い切り引く快感と直後の痛み退屈さは死 #tanka
 
72.
観測者死んで僕達存在が出来ず振り子を揺らし続けた #tanka
 
73.
ロッコの問題論じる立場あり僕は轢かれた選択肢なく #tanka
 
74.
いつキミは戻るのだろう冷めきった生姜湯のため濁った景色 #tanka
 
75.
簡単に忘れてしまう冬の日は夜の合図が無くなるように
緩やかな自殺だったね夏の日は夕焼け空がずっと明るく #tanka
 
76.
この街の人ももうすぐいなくなり一つ残ったツリーが寂しい #tanka
 
77.
統率のとれない猫の足跡が雪の積もった基地に押されて #tanka
 
78.
無駄な物vol. 10の来襲ですまた一つ脳圧迫される
読みづらさ許容するうち品が増え意味不明だがそれも作品
1.5流の紳士に会いに行く靴だけはまあ褒めてもいい
朦朧短歌
#tanka
 
79.
愛なんていりませんから冬休み終わる前まで星を見てたい #tanka
 
80.
必要なものなんてない一切を置き去りにして旅に出ようよ #tanka
 
81.
もうそれは血のようだった山茶花の花が道路に飛び散る様は #tanka
 
82.
キスマーク隠したようなマフラーしそれは手首の包帯に似て #tanka
 
83.
もう君に渡すことない花束を今も時折選んだりして #tanka
 
84.
坂道に色とりどりのスーパーボール飛べ飛べ飛べ飛べ世界を跳ねろ #tanka
 
85.
簡単なもので済ませて簡単な人生過ごすそんな夫婦で #tanka
 
86.
暗闇を浮かんでる船飛んでいるように一つの光としての #tanka
 
87.
ああ煙よ消えてしまって君は僕の何だったのだ
 
88.
シトシトと雨漏りのする阿片窟暗い冷たいこがねの煙 #tanka
 
89.
監視者もタイムマシンもなくなって時空に取り残された平成 #tanka
 
90.
Yesterday昨日も歌い明日もまた歌うのだろう間違えながら #tanka
 
91.
いもうとの遊ぶ姿を横目で見、腰を痛めて棄てる新雪 #tanka 虚構
 
92.
つらいんだ 君の聴いてる音楽が全部葬送曲に聞こえて #tanka
 
93.
「一切」の「一」が掠れて切なさの言葉が上手く切り取られてく #tanka
 
94.
ヘム鉄のかわゆき響き転がして君はしたし全血献血 #tanka
 
95.
正常と狂気の狭間に囚われてピエロはピエロの役を演じる
その狂気が演技なのかも教えずに彼は行ってしまった眠らない世界に
ペアのないトランプ何かのメタファーか人は容易く悪に転ずる #tanka
 
96.
初恋の人に林檎を手渡され無色のそれは妖しく光り  #tanka
 
97.
一行の死亡通知が届けられ死んでしまった結果だけあり  #tanka
 
98.
神様も悪魔も殺す量子論サイコロだけが虚しく振られ  #tanka 
 
99.
忍池のスワンを解放し十字に向かい飛び立てば夏 #tanka
 
100.
昼過ぎのゴミの収集車と共に起き出す我は何ゴミだろか #tanka