日々のこと

I'm becoming this all I want to do.

あ、嫌だなあと思う。
怒っている。感情的になっている。
頭に血が上っている。
それなのに。
 
胃の辺りに冷たい石を置かれたような気持ちになる。
冷たい、冷たい、石。
ずっと、どこかの遠い山奥の、もう誰もそこには訪れないような、獣や鳥ですらそこに訪れないような、誰からも忘れられてしまったような場所にあった、そんな石。
それが、私の胃の辺りに、コトリと置かれる。何かの間違いみたいに。
なんでその石がそんな辺鄙なところから、私の元にやってきたのかは知らないけれど。
それでも、そういう間違いって、世の中にいくらでも転がっている。
石の大きさは分からない。大きいような、小さいような。
ただ冷たくて、固い、ということだけが分かる。
 
体は熱いのに、石の置かれた胃の辺りだけはいつまでも冷たい。
そして、それがそのうち、当たり前みたいに、少しずつ周りを侵食していって、私の胃も石化していく。
私の胃は、冷たい、冷たい、石となる。
侵食は止まらない。
どこからか私の体の熱と、石の冷たさとのせめぎ合いになる。
しかし、それがいつまでも続かないことは分かる。
いつまでも熱を帯びていることはできない。いつまでも怒りは持続しない。
そして、私はどんどん冷たく、固くなっていく。
後悔、だけが残る。