日々のこと

I'm becoming this all I want to do.

宇宙船

鬼灯の宇宙船に乗って
銀河へ言葉の種を植えにゆく
言葉は一度死ななくては意味を持てない
僕らはたった一度の死で意味を失ってしまうけれど
(君はきっと元々意味なんてなかったと言ってそれを否定するだろう)
 
天の川の向こう側は
白黒の世界だ
淡い闇が満ちていて
誰もその正体に辿り着けない
できることは線の上を慎重に歩くことだ
落ちてしまえば時間と空間から切り離される
それはそれで幸せなことだと
百万年生きる鸚鵡貝が言っていた
 
薄羽蜉蝣は人生の意味を知っていて
笑い翡翠は気難しい顔をしている
青蜆蝶は正直者だ
蝿はその美しい翅を震わせている
唯一星座でいられることを許された存在だから
 
最後に燃え尽きた星の名前は忘れた
宇宙はすっかりと冷え切っている
君が言った冗談めいた告白が
ついさっき、ようやく宇宙の果てへと届いて
僕の魂を燃やし始めた
それだけが僅かな炎で
確かな炎で
仄かに温かい