日々のこと

I'm becoming this all I want to do.

Twitter短歌03(20181205-20200509)

100まで詠んだら記事にしようと思っていたけど、あんまりTwitterに短歌をアップしなくなってきたので。
 
1.
ナイトメアー・ビフォア・クリスマス空っぽの靴下だけがある枕元
 
2.
来年の健康祈願の一環で積読をまた一冊増やす
 
3.
みなひとり(ひとりふたりと)偏頭痛持ちは偏る愛の傾向
 
4.
積みあげた檸檬に置いた丸善が爆破し崩れゆく様うつくし
 
5.
冬の日に素肌を晒す人はなく彼といるのはいつも冬の日
 
6.
さよならは神さまみたいに嘘つきで僕らは二度と会えないだろう
 
約束メーカー「ずっと最低でいようね。終わりが来るまで、かみさまのことは忘れていようね。」より
 
7.
最低なかみさまだよね何一つほんとうのこと言ってなかった
 
約束メーカー「ずっと最低でいようね。終わりが来るまで、かみさまのことは忘れていようね。」より
 
8.
銀色の聖書を燃やす雪の日に鱗粉のごと灰の舞い上ぐ
 
9.
月はまだそこにあるのか幾層の雲を突き抜け光は届く
 
10.
お客さん終点ですよの声がして顔を上げれば雪の降る街
 
11.
定時後のウラジオストック行きに乗る冬の終わりに耳をそばだて
 
12.
愛という病名はなくきっと僕は死因不明で発見される
 
13.
天国の59番通りには靴磨きをする悪魔の弟
 
きょうの守護霊「きょうのニコさんの守護霊は、天国のはずれで星を散りばめています。」より
 
14.
お祈りの忘れ去られた教会で罪なき人の開かない瞳
 
約束メーカー「ずっと空き家でいようね。失神するまで、教会のことは忘れていようね。」より
 
15.
閉じ込めてしゃぼんの球は凍りつき万華のような虹を見せてる
 
きょうの守護霊「きょうのニコさんの守護霊は、シャボン玉の中で消毒液をかけています。」より
 
16.
キャラメルの匂いを嗅いでああここはほんとに夢の国だと悟る
 
17.
もし君に学名があれば君のその美しい名が三つ並ぶよ
 
18.
全員がスマホを捨てた街中で再会できたら本物だよね
 
19.
讃美歌をあさりは歌う塩水の中でぷくりと砂を吐きつつ
 
20.
立つ鳥に揺れる虹彩一冬は一冬かけて一冬となる
 
21.
赤色と緑の円の見え方を聞かれそもそも見え方って何?
 
22.
朝ぼらけ私を起こす鳥の声ツインバードのホームベーカリー
 
23.
三連休三連荘で細胞は変わり続けてても僕のまま
 
24.
おやすみ練馬ベッドタウンは春の足音に気づかず眠り続ける
 
25.
喜びは天にあります地上では悲しみだけを忘れないでね
 
26.
虚数個のドーナツを買いイマジナリーフレンドと分け合った春の日
 
27.
白ポストソメイヨシノが投げ込まれ日本は春が無くなりました
 
28.
平成の記憶を持った雨傘は令和を知らずに捨てられていく
 
29.
綴じ糸を彼女は千切り青色のページを並べた 海が見たくて
 
#平成末日万葉集
 
30.
千珠沙華なんて名前の花はなく許されなかった美しき死は
 
31.
ポリンキー独りっきりで生きるなら争いなんて生まれないよね
 
32.
いつからか泣くのが怖くなっていて夢に飼ってる虚構ペンギン
 
33.
歩くたびツイートをするそのたびにすり減っていく踵と心
 
34.
夏にだけ現れ皮膚を突き破り血を吸う虫を今年も殺す
 
35.
雪になれば溶けて消えると思いきやぐずぐず泥と混じってしまう
 
36.
さようなら、さよならbotこれからは生身の言葉を愛していくよ
 
37.
支払いは一括ですかリボですかどうせ死ぬから今死にますか
 
38.
大丈夫 明日世界が終わっても先発投手は山本昌
 
39.
恋をしている時くらいおっさんであるということ忘れていたい
 
40.
ボコボコにしてみた後でこの歌は強度がないとゴミ箱に捨て
 
41.
えら呼吸できない僕は君という水槽の中で溺れてしまう
 
42.
“雨”の字が豪雨みたいに流れてくタイムラインがとても静かだ
 
43.
終わらせ方を決めないままに永遠を始めてしまい後悔している
 
44.
破棄されたハンドスピナーが集まって一つの銀河を形成してる
 
45.
滅亡ののち何かのゲノム解析が終わったことを告げるアラーム
 
46.
夢のなか増殖をするウイルスに気づいたときには手遅れだった
 
47.
放課後に耳打ちされた「かき氷のシロップは全部同じ味だよ」
 
48.
子狐はこう言いました「このお胸にちょうどいい希死念慮下さい」
 
49.
永遠を無邪気に賭けの対象にしてたね、ゲームはまだ終わってない
 
50.
Amazonで一つ頼んだ流れ星玄関前に置き配指定
 
51.
”さ”の音が口に出るとき唇をかすめる風がさびしい、皐月
#五月の詩
 
52.
港まで薫ってくるよ海底に沈んだ空中都市の茉莉花