日々のこと

I'm becoming this all I want to do.

2018-03-01から1ヶ月間の記事一覧

さくら

さくら おまえのめ さくら おまえのはな さくら おまえのくち さくら さくら おまえは死ぬ 等しい時間に 等しい速度で さくら おまえのは さくら おまえのはだ さくら おまえのね さくら さくら 死にゆく姿よ 瞬きをすれば もうおまえはいない さくら さくら…

雪を燃やす(短編小説)

北へ北へと旅をしているうちに、冬になってしまった。 それ以上進みたくとも足がない、と宿の主人に聞いたので、その村で冬を越すことにした。 村には雪が降っていた。私が生まれ育った土地は暖かかったため雪が降ることはなく、私は雪というものを見るのは…

例えば運命というものがあるとして

最近変な夢を見る。夢に変も変じゃないもないというか、そもそも夢というものは変なものなのだが、とにかく変な夢を見る。ヌメッとして気持ち悪く、それでいてくっきりとした輪郭を持った夢。眠りが浅いのかも知れない。朝の五時頃不意に起きてしまい(この…

オイラーについて

オイラーが死んだ時 彼は計算をすることをやめた オイラーが死んだということは 地球上の偉大な計算機が失われ あとには肉の塊が残った 僕が死んだ時 何が失われるのだろう 一匹のひよこを ミキサーにかけた時 何が失われるのか 愛すること 憎むこと 思い出…

まな板

世界が美しくあったのならば。 子供のころ。 私の話には子供の時の話が良く出るが、私自身はまだ大人になったばかりで、 そしてこれから先の人生の思い出の量などは、今までに比べたら塵に等しいと自分でも把握している。 家には大きなまな板があった。 それ…

死にたくなる時

あっ、死んでしまいたいと思う時がある。誰にだってある。私にだってある。猫にだってあるかもしれない。 私にとってそれは、財布にお金が入っていなくて、銀行でお金を下ろさなきゃな、と思った時だ。 それは、料理を作らなきゃでも、ご飯を食べなきゃでも…