日々のこと

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(2018年11月25日)東山魁夷展@国立新美術館

 
六本木、国立新美術館へ。
どこかで見たことがあるような、懐かしい景色。
これが日本の山だと分かるのは、どうしてだろうか。
そのどれもが、日本人の心象風景だと思う。
線ははっきりとしておらず、どこまで絵に近づいても淡いぼやけた雰囲気。
しかし、いつまでも心に残り続ける。幽玄、雅、そんな風景だ。
あくまで自然、特に木や山や湖や川などの景色のみを描き続けた画家。
人や動物はほとんど描かれていなかった。
自然を描くことで、自然と根っこでつながる感覚があるらしい。
どこにでも神がいる、八百万の神を持つ日本人ならではの考え方だと思う。
四季を愛して、時間を愛した画家。
そんな印象を受けた。
 
気になった絵
「道」「木霊」「山かげ」「松の庭」「秋翳」「黄耀」「白暮」「白夜行」「花明」「緑響く」「静唱」「揚州薫風」
 
吟行というか、ぱっと見て浮かんだ言葉たち
 
「道」
朝露や歩く先には道がある
 
「木霊」
仄光る精霊住みしもみの洞(うろ)
(白い肌の木だと思っていたら、滝だった。もみは樹皮が白くないし)
 
「山かげ」
山かげに水落つる音はと気づく
 
「松の庭」
ぐもぐもと緑生いしげ松の幹
 
「揚州薫風」
閉じ込めた幽玄世界の真ん前の畳の上で故郷を思う
 
「緑響く」
 湖畔には白馬一頭佇みて水鏡に映る祈りの世界
 
詩です