2019-05-09 空咳 詩 自分の空咳で起きてしまう カーテンの開け放たれた窓 カーテンは閉めていたはずだ うろ覚え 窓から見えるのは、少しだけ目を開けた夜空 目の前をひらりと飛び去る空蝶 昔送った空メール あなたの咳がうるさくて眠れないと 妻が言う 昔喘息の彼女に僕が言った言葉そのままだ あなたも喘息になればいいのに 呪いの言葉は 耳を通らずに 鼻から肺へと辿り着く 菌の胞子のように 肺に異物感が残り続ける コホン、コホンと咳をする かつて妻がしていた咳を 今僕がしている