言葉
呼吸が苦しくなる
周りの音が聞こえなくなる
世界が止まって私が前に動いているのか、
私が止まって世界が後ろに動いているのかが分からなくなる
景色は遥か後ろへと流れていく
亜光速で移動していく、私が(スターボウが見える)
呼吸の仕方を忘れるなんて、眠る前のようだ
死ぬ前も、眠る前のように呼吸を確かめるんだろうか
どうやって呼吸をしていたっけ
呼吸を止めたらマズい、なんて考えながら
誰も教えてくれない
言語第一主義で考えれば言葉で感動するなんてありえない
音楽だったらあるのかもしれない
感動とはなんだろう
人に説明できたら嘘くさく感じるし
説明できなければ虚ろに感じる
涙は流れない
血の一滴ほども
遅れて聞こえてきた耳鳴りは
ドップラー効果で音程が狂っていて
兄の下手くそな歌に似ている
涙も遅れてやってきて
悲しいのか
嬉しいのか
寂しいのか
波の音を聞けば
何かを忘れられるだろうか
感じていることが
本当だって
証明できるだろうか